2026/06/28 15:58
数年前、ニュージーランド・タラナキ地方を訪れたとき、現地の養蜂家の方にマヌカハニーづくりの現場を案内していただく機会がありました。
舗装道路を離れ、四輪駆動車でなければ進めないような丘陵地帯をいくつも越えていきます。
どこまでも続く緑の丘。その先には、雄大なタラナキ山。
空の青さと山の美しさ、そして静けさは、今でも鮮明に思い出せるほど印象に残っています。

ようやくたどり着いた養蜂場は、人里から離れたマヌカ林の中に静かにありました。
「どうして、こんな山奥なんですか?」
そう尋ねると、養蜂家の方は穏やかな笑顔で教えてくれました。
マヌカの花が咲く期間は、とても短いこと。そして純粋なマヌカハニーを採るためには、近くでほかの花が咲いていない環境を維持することがとても大切なのだそうです。
そのため、巣箱を設置する場所や周囲の環境には細心の注意を払い、自然の様子を見ながら毎年管理を続けていると話してくださいました。

「自然の恵み」と一言で言ってしまいがちですが、その背景には、人の手による丁寧な仕事があることを知りました。
さらに印象的だったのが、マヌカハニーの歴史についてのお話です。
今では世界中で高級ハチミツとして知られるマヌカハニーですが、昔からその存在は知られていたものの、独特の風味が当時の消費者にはあまり好まれず、価値が認められていなかったそうです。
その頃は、なんと家畜の飼料として与えられることもあったのだとか。
「きっと、あの頃の牛は今よりずっと健康だったんじゃないかな。」
養蜂家さんが冗談まじりにそう話してくださり、その場が和やかな笑いに包まれたことも、今では懐かしい思い出です。
そして、蜂についても興味深いことを教えていただきました。
セイヨウミツバチはとても働き者で、自分たちが冬を越すために必要な量をはるかに超える蜜を集めます。私たち人間は、その余剰分を少し分けてもらっているだけ。
だからこそ、人は蜂たちが安心して暮らせる環境を守り、花が咲く自然を育てる責任があります。
普段世話をしている養蜂家さんの近くでは、蜂たちも落ち着いた様子で飛び回っていました。その姿を見ながら、人と蜂は単なる「採る・採られる」の関係ではなく、お互いを支え合う存在なのだと感じました。
CACARAは、ニュージーランドの豊かな自然の中で育ったマヌカの小枝や葉から抽出したマヌカエキスをベースに、マヌカハニーも原材料の一つとして使用しています。
あの日訪れた養蜂場で見た景色や、養蜂家の方から伺った自然との向き合い方は、私たちが原料を選ぶうえでも、大切な原点の一つになっています。
タラナキ山を望む静かな丘陵地帯で聞いた蜂の羽音。
自然と向き合いながら原料を育てる人たちの姿。
そして、その恵みを少しだけ分けてもらい、私たちの製品へとつないでいくこと。
あの日見た風景は、今もCACARAのものづくりの原点として、私たちの心に残っています。
***続く***
